2020年代の地方公務員、どうやら「安定と信頼の象徴」とは言い難いようだ。
税金で養われ、筋トレし放題の公務員が、余った時間でちゃっかり“副業マネー”。もちろん、公務員法では営利企業への従事は禁止されている――が、そんなルール、焼肉屋の新メニューほどには気にしていなかったようである。
公式によれば、滝川地区消防事務組合消防署に所属していた20代の男性消防士長A氏は、複数の企業で業務に関与し、報酬を受け取っていたことが発覚。
処分は停職3ヶ月。
ただし、同日に依願退職しており、停職期間を満了することもなく、しれっと去っていった。
「金さえ稼げれば、それでいい」
それがこの男の価値観だったのかは知らないが、見上げたメンタリティである。
かたや、日曜のチラシで「アットホームです!」と謳うバイトに釣られた若者が、客の皿洗いと上司の地雷対応に汗を垂らし、時給920円でヒイヒイ言っている。
かたや、中年に至っては求人欄すらない「空知のカニ工船地帯」で、再就職の希望すら絶たれている。
これが現実だ。
そんな中で、「税金で安定を手にし、時間をもてあました消防吏員が副業で富を増やす構図」は、どう見ても異様である。
もちろん、すべての消防吏員がそうではない。
他人の失火、放火、あるいは人生そのものの爆発と向き合い、危険な現場に飛び込んでいく者もいる。
あの煉屋の全焼のように、命がけで火と戦う現場のプロも確かに存在する。
だからこそ、こんな“ノーリスク副業マン”が消防の看板を背負っていたとなれば、他の職員の士気を下げるのも無理はない。
ちなみに、滝川消防署の公式サイトはWordPress製。
URLはこちら:
http://takifire.com/wp-content/uploads/2019/07/cd0b781163bbdd2209f6486464bfc766.pdf
コンテンツ管理はわりとちゃんとしている模様。
……が、それ以前に「人間の管理」ができていなかったのでは?
前回取り上げた滝川市立病院元職員O氏の不祥事のときにも触れたが、滝川という街は、どうも不祥事公務員に甘い。
言い訳や依願退職で済まされる構造こそが、結局、また次の“副業志願者”を生む温床となっている。
一体、何と戦ってるんだ。
火災か、自己実現か。
あるいは、自分の生活の向上か――。欲しいのか?そんなにランクルが。通いたいか?風俗に。