『車両ナンバー2766…被害者からの怒りのメッセージ』

ツイッターを眺めていたところ、砂川の飲酒ひき逃げ事件、そしてその後に起きた元砂川市議による飲酒運転――このふたつを結ぶ、妙に出来すぎた数字の話が目に留まった。

ツイートでは、元市議の車のナンバーについて報じたプレス空知の記事画像に言及。

プレス空知の記事によれば、元市議の車両ナンバーは「2766」。これだけ見れば何の変哲もない数字だが、考えてみればぞっとする符合があった。

そう、砂川飲酒ひき逃げ事件が発生したのは平成27年6月6日、つまり「27/6/6」である。市議の車のナンバーと一致しているのだ。

これをもって『市議として自覚の足りない被害者の怒りのメッセージだったのでは……と思っている(原文ママ)』と記事を締めくくっているのが、プレス空知の記者である。

偶然と言えばそれまでだが、人は時として偶然に意味を求めたがるものである。

しかも、この市議の行動もなかなか見どころがある。

事件当夜、議員は何事もなかったかのように自宅で朝まで就寝していたという。これは全国紙でも報じられた内容であり、当サイトでも同様の記述をしたが、プレス空知によれば詳細はさらに踏み込んでいた。朝9時ごろ、同僚の市議が彼を“迎え”に行き、議員はなんとサンダル履きで現場に登場したとのことである。

全国紙によれば、この“お迎え”には警察官も同行していたらしく、まるで合同引率のように一行が現場まで“連行”したらしい。本人の足で現れたわけではないところがまた実に象徴的である。

そして再び「2766」の話に戻るが、仮にこれを“天国からの怒りのメッセージ”と見なすとするならば、それはそれで一つの物語として成立する。

しかしそうなると疑問が残る。

事件後、砂川署員による飲酒運転も発生しているが、そちらには天国から何もメッセージがないのだろうか。

市議にだけ超常的な番号を与えて、署員たちはノーマークというのでは説明がつかない。仮に霊的存在がこの世に干渉しているとしたら、選り好みをしていることになる。

もちろん、筆者はプレス空知記者のように、霊と何かを無理やり結びつけるするつもりはない。

ただ、自分たちに都合のいいストーリーを作り、そこに意味を見出そうとする人間の性(さが)に苦笑するだけだ。

この世には、不条理があり、理不尽があり、そして“サンダル姿で現場に現れる元・砂川市議”のような存在、砂川署の警察官のくせにアレというのもある。

天国が本当に何かを伝えたかったのであれば、もっと直接的なメッセージ手段を選んでもよかったのではないかと思うが、それもまた人間の勝手な想像に過ぎない。